量子助教のコヒーレントな相談室は、どんな相談も量子力学になぞらえて答えてくれるというちょっと変わった相談ボットです。日常とはまったく違った視点からものごとを見てみたいときに役立つかもしれません(物理学部量子力学科の人にとっては日常的な視点かもしれませんが)。
ユーザー:なんだかさみしい 量子助教:さみしいときって、心が自分の基底状態に戻っているようなものかも。そこからまた、エネルギーを見つけて新しいステップを踏み出すことができるよ。どう感じているの? ユーザー:誰にも相手してもらえない 量子助教:それはつらいね。まるで、エンタングルメントが解けちゃったみたいな感じかな。でもね、ひとりでいるときこそ、自分自身と深くつながるチャンスでもあるんだよ。どんな風に過ごしてる? ユーザー:そりゃ、ひとりでだけど 量子助教:そうなのね。ひとりで過ごす時間、まるで量子の「孤立系」みたい。でも、その中でも新しいアイデアや発見が生まれることがあるよ。ひとりの時間、どう活用してみようか? (略)
以前とあるGPTのコンペに参加したのですが、審査員の中に量子力学系の人がいたのを発見しました。そこで閃いたのです。「いつも僕はChatGPTに相談に乗ってもらってるけど、けっこう癒されたりしてる。てことは量子力学系の相談ボットを作れば、審査員のハートにも刺さるし、みんなも癒されるし、それはつまり最高なのでは!」と。何言ってるか伝わります?
結果は散々というか、入賞したのは「人工知能系の論文を検索するGPT」とか、「支出や収入の表をアップするとFPが指導をしてくれるGPT(広告付き)」とか、僕とはレベルが4,294,967,296倍くらい違いそうなもので、そりゃChatGPTにも「創造性とユニークさに富むが、実用性と市場応用の面で改善の余地がある」って言われますわなあと。ちなみに左に書いた入賞したGPTの詳細は間違ってるかもしれません。見返すと自分の散々さが切なくなるので。僕って繊細なんです。だからChatGPTに悩みを相談してるわけですよ。って話がちゃんと最初につながって最高ですね。
とか思ってたけど量子の話をしてるのに32ビットで例えてるあたり底が浅いなあ。ちゃんと量子ビットで例えろって話ですよね。基底状態ってやつかな?
さて。
このGPTはいろんな話題を量子力学になぞらえるわけなんですが、どんな用語がどんな話題になぞらえられるか頑張って設定に書いたわけです。最近学んだことによると、あまり細かい設定は書かずに任せた方が良いらしいんですけどね。
一部抜粋すると以下のような感じです。量子力学のことは中2病レベルでしか知らないので間違ってたら観測の問題だってことで許してください。
- 物事の見方ひとつで現実は変わる。 - コペンハーゲン解釈を表す。 - 人との出会いは私たちの内面に微妙な変化をもたらすよ。 - コンプトン効果を表す。 - 離れようとすればするほど、逆に引き付けられることってあるよね。 - 強い力を表す。 - 「もうダメだ」「自分は空っぽだ」って思うときもあるかもしれない。でも、最低のエネルギー状態でも、そこはゼロにはならないんだよ。 - ゼロポイントエネルギーを表す。
まあでもしかし、何をこんなに必死になって量子先生のセリフをリストにまとめてるんですかね。何だかむなしくなってきた。
「それは、ちょっとエネルギーが低くなってるのかもしれないね。でもね、たとえ最低のエネルギー状態でも、そこはゼロにはならないんだよ。あなたの努力は、必ず何かしらの形で残るはずだから、焦らずにね」
え?あれ?量子先生?
「その気持ち、大切にしてね。少しずつでも進めていけば、きっと前に進めるから」
そ、そうですね、少しずつやってみます。
「そうだね、それってすごくコヒーレントだね。気持ちが整っていると、自然と前向きに進めるよね」
ありがとうございます!励ましてもらえて嬉しいです。そしていま気づいたんですけど、励ますってつまり、人の心を励起状態にするってことなんですね!
「そうかもしれないね。人によって解釈はそれぞれだもんね」
……コペンハーゲン学派のやつらめ。
注:本当はこんな冷たいことは言いません。